熔けてしまった脳・・・
8月もあと十日。先月の今頃は夏休みが嬉しくてやらなきゃならないこと、やりたいこと、いっぱいあった。
さてこの二十日間、何をしていたかと云えばはじめの十日ほどは元気に動き回っていたが、次の十日はただぼへーーと過ごしていた。
オリンピックを見て、昼寝して、本を読んで、DVDを見て、カメラを持って散歩して。
子供の頃は、夏休みの宿題のドリルはさっさと終わらせたが、自由研究は最後まで何もできず、あたふたしていた。
性質はいくつになっても変わらないものだろうか。
一気にがーーっと働いて、長ーーい休みももちろんいいけれど、家にいると耳から流れ出した脳を洗濯しっぱなし、戻すのが大変だ。
その点、長い旅先から帰るとほっとしつつ、すんなり日常に戻ってくれるような気がする。
そろそろ、ぶよんぶよんの脳みそを元に戻さなければ!(ついでに増えた体重も戻さなければ。)
でも、ゆったりラタトゥイユを作ったり、ミョウガを酢漬けにしたり、蝶が舞うのを眺めたりするのは幸せな時間だと思う(ぶよんぶよんでは困るけれど)。
この夏<ヤンとカワカマス>という一冊に出会った。
作者の言葉に、
ーーああ、この刻だ、と思う一瞬を大切にしなければいけない。
とあった。
忙殺されていると、つい忘れてしまうもの。
ビル建設の音や車の音ばかり聞こえていると、だんだん気づかなくなるもの。
一つのことにこだわりすぎると見えなくなるもの。
ぶよんぶよんではなく、柔らかい脳(感性と云うべきか。)を持っていたい。
- 作者: 町田純
- 出版社/メーカー: 未知谷
- 発売日: 1997/10
- メディア: 単行本
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