無惨だけど美しい……月岡芳年展

忙しくって寒くって気力も絶え絶えな毎日、隙間をぬって行ってきました、芳年展。
何が見たいって、無残絵です。
心の奥に怪しい闇があるのか、どうにも心惹かれてしますのです。美しいものに限りますが……

今回は、安達ヶ原の鬼婆の絵、清玄桜姫の絵などが気に入り。
清玄の目が姿がこわい。姫の着物の柄はきれいで余計に清玄のヨレヨレ度が目立つ……


死に顔の青くなる具合なんかいいねえ。
血の色とかは全然本物っぽくないのに、血糊で手形がついてたりするのは妙にリアルな感じ。

明治になると新聞ができて、浮世絵師たちは新聞の挿絵を描くようになります。今でいう風刺漫画や写真のような役割を果たしていたようです。
三面記事の衝撃的なのを選んで書かれて、絵と文章でできてます。文章は江戸の戯作者たちだそうです。江戸の頃から日本人は識字率が高いですなあ。


西洋の絵画技法も入ってきて、陰影や遠近感、舶来のものを描いたりというのもこの頃の風潮のようです。

怖い絵もうまいですが、妖怪も味があるのです。
愛嬌があって怖いというよりカワイイ感じに思うのは私だけでしょうか。


コウモリがコウモリ傘持ってるんです。洒落は師匠ゆずり!


文覚上人の絵に使われているような青色は、ベロ藍といって、江戸中期以降に中国渡りでドイツからきたのだそうです。伝統的な藍は、日光で黄色っぽく退色してしまうけど、これは残るんだそうです。あんまり高くなかったから版画にも使えたんですって。


他にもいっぱいです。前期に出てたのも見たかったなあ。

ちょこっと空いた時間に足を運んでよかっったです。
日が暮れるのは早いし、寒くなるし、この時期はいつも気力が萎えてしまって心がかたくなりますが、負けずにいいもの見てほぐさないとね。