わんこ
先週までのお客様先への通勤途中にお年を召したわんこがいる。
専用のお家の床に毛布が敷き詰められ、ご飯と水のボウルが近くにある。
そして、そのお家の入り口上には、虫○ナーズがかけてあった。
病気の元の蚊が来ませんように。
わんこがかいかいになりませんように。
暖かくやわらかい寝床で寝られますように。
飼い主の方の気持ちが、あったかい。
ある朝は少し冷えたのか、敷いてある毛布の間に入ろうとしていた。
でも結局、上に乗っかった。ちょっと難しかったね。
帰りにはお家の中で静かに座ってた。
目が、見えにくいのかな。
私が手を振ってもきょとんとした表情でそのまま座っていた。
ある夕方にはブラシで毛をわっっしわっしと梳いてもらっていた。
嬉しくってしっぽを振り振りしていた。
16歳のおじいちゃんだそうだ。
最後に彼にあったとき、私はいつものように彼に手を振った。
少しからだがすっきりしていた。
じいっっとこちらを見、しばらくしたら
わふっといった。
いつもは反応しないのに、こちらにやってこようとした。
うーーーー・・・といってたから、怪しいヤツ、と思ったのだろう。
年を取ってもちゃんと守っているんだぞ、と聞こえた。
その日は、歯が一本しか残っていない13歳のパグを散歩させている方にもあった。
暑いから舌を出してハッハッとしながら、時々口周りをベローーンベローンしているのを優しく見ていた。
ほんの数分のことだけれど、なんだかとても嬉しかった。